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「来る」は尊敬語で何という?使い方、例文を解説

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2024/07/15

ビジネスメールや取引先との会食で絶対に間違えられない敬語。
意外と忘れがちな単語について、使い方や例文、よくある間違いを解説していきます。

尊敬語、謙譲語、丁寧語の違い

尊敬語、謙譲語、丁寧語は、いずれも日本語の敬語に分類されますが、それぞれ異なる目的と使い方があります。以下にその違いを詳しく説明します。

・尊敬語 (そんけいご)

目的: 話し手が相手(主に目上の人)の行動や状態に対して敬意を表すために使用されます。
特徴: 相手の動作や状態を高める表現。
例:
動詞の変換例: 「言う」→「おっしゃる」、「来る」→「いらっしゃる」、「食べる」→「召し上がる」
表現の例: 「社長がいらっしゃいました。」

・謙譲語 (けんじょうご)

目的: 話し手が自分や自分側の人の行動をへりくだって表現し、相手に敬意を表すために使用され
例:
動詞の変換例: 「言う」→「申す」、「行く」→「参る」、「見る」→「拝見する」
表現の例: 「私が申し上げます。」

・丁寧語 (ていねいご)

目的: 話し手が聞き手に対して丁寧な態度を示すために使用されます。話し手自身の行動や相手の行動に関係なく、話全体を丁寧にする。
特徴: 動詞や名詞に「です」、「ます」、「ございます」を付けることで丁寧さを表現。
例:
動詞の変換例: 「食べる」→「食べます」、「行く」→「行きます」
表現の例: 「こちらがレポートです。」

・違いのまとめ

尊敬語: 相手の行動を高める表現。相手の動作や状態に使います。
謙譲語: 自分の行動を低める表現。自分や自分側の人の動作や状態に使います。
丁寧語: 話全体を丁寧にする表現。特に相手や自分の動作に焦点を当てるわけではありませんが、全体的な敬意を示します。

これらの敬語の違いを理解し、適切に使い分けることで、より正確で敬意を持ったコミュニケーションが可能になります。

「言う」の尊敬語は?

「言う」に関連する尊敬語にはいくつかの形がありますが、主に以下の三つが一般的です:

1. おっしゃる

- 最も広く使われる尊敬語で、相手の言葉を直接尊重する意味で用いられます。

2. 仰る

- 「おっしゃる」と似ていますが、やや文語的なニュアンスがあり、フォーマルな文脈や書籍、公式の発言で使用されることが多いです。

これらの尊敬語は、使用する状況や話し手の意図に応じて選ばれます。「おっしゃる」は日常的な敬語として最も頻繁に使われ、「仰る」は特に尊敬の強い表現として、かつフォーマルな文脈で使用されます。

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「言う」の尊敬語のよくある誤用

「言う」の尊敬語に関連する一般的な誤用と、それらがなぜ間違っているのかについて解説します。

・言われる

誤用理由: 「言われる」は「言う」に尊敬の助動詞「れる」を付けた言葉です。「言われる」は確かに尊敬の意味が加わっていますが、目上の人の動作を表す際には敬意が足りない場合があります。
正しい尊敬語: 「おっしゃる」、「仰る」

・言っていらっしゃる

誤用理由: この表現は冗長であり、「言う」という動作に「いらっしゃる」を直接組み合わせることは不自然です。「いらっしゃる」は動作の尊敬を表しますが、「言う」の尊敬語としては「おっしゃる」が適切です。
正しい尊敬語: 「おっしゃっている」

「おっしゃる」を使う際の注意点

「おっしゃる」という敬語を使う際には、以下のポイントに注意することが重要です。

1. 使用する場面と相手

上司、顧客、先生、年長者などに対して使います。友人や同僚など、対等な関係の相手に対して使うことは適切ではありません。

2. 敬意の強さ

「おっしゃる」は強い敬意を示す表現です。過剰に使うと不自然に感じられることがあるため、適切な場面で使うことが大切です。逆に、目上の人に対して使わないと失礼になることがあります。

3. 敬語の使い分け

「おっしゃる」以外の尊敬語や謙譲語、丁寧語と組み合わせて使うことが求められます。例えば、「いただく」や「申し上げる」などの謙譲語を適切に使い分けることで、全体的にバランスの取れた敬語表現が可能です。

4. 正しい文脈で使う

「おっしゃる」は相手の発言に対して使うため、相手が実際に何かを言った場合にのみ使います。相手の行動や状態に対しては他の尊敬語を使う必要があります。

5. 冗長な表現を避ける

「おっしゃる」はすでに敬意を含んだ表現ですので、さらに「いらっしゃる」などを付け加えると冗長になります。例えば、「おっしゃられる」といった表現は避けしょう。

不適切な例

- 友人がおっしゃったことは面白いですね。(友人には「言った」で十分です)
- 部長がおっしゃられることを尊重します。(「おっしゃる」で十分です)

これらのポイントを押さえておくことで、「おっしゃる」を適切に使うことができ、相手に対する敬意を正しく示すことができます。

「言う」の尊敬語の例文

いくつか「言う」の尊敬語を用いた例文をご紹介します。

1. 社長が会議で新しい戦略についておっしゃいました。
2. 先生が授業中に重要なポイントをおっしゃいました。
3. 部長が今年の目標についておっしゃった内容を確認してください。
4. お客様が商品についておっしゃったご意見を参考にしました。
5. 講演者が最新の研究成果についておっしゃったことをメモしました。
6. 弁護士が法的な見解についておっしゃったことを尊重します。
7. 医師が治療方針についておっしゃった内容に従います。
8. 経営者が会社の将来についておっしゃったビジョンを共有しました。
9. 議長が会議の進行についておっしゃった指示に従います。
10. 教授が論文の構成についておっしゃったアドバイスを参考にしました。
11. お客様がフィードバックとしておっしゃったことを真摯に受け止めます。
12. 上司が新しいプロジェクトについておっしゃったことをチームで話し合いました。

これらの例文は、それぞれの場面で「おっしゃる」がどのように使われるかを示しています。尊敬語を適切に使うことで、相手に対する敬意をしっかりと伝えることができます。

「言う」の尊敬語を使ったビジネスメールの例

おっしゃるを使ったビジネスメールの例をご紹介します。

件名: 新プロジェクトに関するご意見のお願い

株式会社ABC
営業部 部長 山田太郎様

いつもお世話になっております。株式会社の田中です。

この度、弊社では新しいプロジェクトの立ち上げを検討しております。つきましては、山田様のご意見を伺いたく存じます。

先日の会議で山田様がおっしゃった通り、市場のニーズを的確に捉えることが重要であると再認識いたしました。ぜひ、具体的なご意見やご提案をいただければ幸いです。

お忙しいところ恐縮ですが、6月15日までにご返信いただけますと幸いです。

何卒、よろしくお願い申し上げます。

敬具

ここでは、上司や顧客である山田様の発言に対して敬意を表するために「おっしゃった」を使用しています。これにより、山田様の意見を尊重していることを示しています。ビジネスメールにおいて、相手の発言や意見に対する敬意を示すことは非常に重要であり、「おっしゃる」を使うことでそれを適切に表現しています。
「言う」の尊敬語について、意味やほかの言い方、例文をご紹介しました。敬語を正しく扱うことで、日常生活やビジネスシーンでのコミュニケーションが格段に取りやすくなるため、常に正しい敬語を使うよう心がけましょう。